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第肆話 ミドリの真実②

Author: satomi
last update Last Updated: 2025-08-28 18:40:48

「カエデ。あの女すごいわよ。対立する華族の両方と体の関係があって」

「何?「私を巡って争わないで~」ってやつ?」

「そんな感じ。それで、あの女にどっちが多く貢ぐことができるか?みたいなことをしてたの」

「なにそれ、不毛ね。華族の人が不憫だわ」

「華族の親類もとばっちりよね。なんとも思ってない女のために家のお金がガンガン使われるのよ?」

「誰か止めに入る人は?」

「家の当主が言う事が一番だから、誰も逆らえなかったのね。内心、下剋上起こしたかったでしょうね」

 そんな事をしてたの?それで得をするのってミドリだけじゃない?オカシイとか思わなかったのかしら?

「国の頂点にも突撃しようとしたけど、流石にそれはかなわなかったみたい」

「一庶民がお会いできるような方ではないでしょうに、それはなんか哀れね」

「自分も商家の娘だというのに、商家の息子とも体の関係があったみたいよ」

「ある意味勇気ある行動よね」

「その息子も息子よね。商売敵だもの、情報が流れることを警戒しなかったのかしら?まぁそんなことは全く考えずに、ただ『貢がれる』のが目的だったみたいだけど」

「次期族長は現金も持ってないわよ?何で?」

「‘次期族長’って肩書きかしらねぇ?特に何も持ってないじゃない。体だけよ」

 今あげただけで5人と体の関係があったという事になる。

 本当にお腹の子供は誰の子供なんだろう?

 本人も誰の子供かわかってないんじゃ?

 私が把握しただけで5人……本当はもっといそう。

「ああ、この間話したのだと『傾いた家のために私は泣く泣く体を売りました』って感じだけど、実家の方もなかなか腹黒い商売してるわね。あの母娘が家に入ってかららしいわ。家の使用人からの話」

 もう、ダメダメじゃないの?

「かろうじて、麻薬に手を出してないわ。でも、高利貸しをしてるわね。困窮している人に支援をします~って近づいて、後からゴロツキみたいにせびるの。家財を売るだけならまだ可愛いもんよ。最悪娘を娼館に売り飛ばしてるわね」

 うわー。ちょっと知りたくなかった事実。

「俺、次期族長夫妻を敬えそうにない。そのうち奥さんの家族までこの地に来たらどうしよう?」

「俺は逃げる」

 「俺も」「私も」という声が多い。本当にこの里は大丈夫なの?

 子供達にまで絵本で紹介されてたもんなぁ。

 まだ妊娠初期?安定期なの?私は妊娠したことないからわからないけど、悪阻は治まってるみたい。

「おねえちゃん!辰巳なんか捨てて、もっといい男を探す旅に出ましょうよ?」

「ダメよ、里を抜けるのは掟で禁止されているのよ?」

「次期族長が掟を破りまくって、外部の阿婆擦れ女を里に連れ込んだのよ?」

 外部の阿婆擦れ女……まぁそうなんだけど、モミジにはそう認定されているのね。

「それはそれ!これはこれよ。とにかく落ち着きなさい、貴女はちょっと感情的なのよ」

「は~い」

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